今回は、燃料費調整額の上限設定がある新電力会社に付いて紹介します。
はじめにお伝えしておくと、大手電力会社(東京電力EP・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力など)と言った従量電灯A/B/Cや低圧電力などの電気料金単価に関しては、2022年現在は、上限を超える値上がりの心配はいりません。
ただし、その他の新自由料金メニューやオール電化住宅向けプラン、深夜電力などには上限が適用されない場合があります。
今回は、それ以外の新電力で燃料費調整額の上限設定がある
燃料費調整額の上限設定がある電力会社 |
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・ENEOSでんき ・auでんき ・大阪ガス ・J:COM電力 ※オール電化メニューなどは上限はありません(=値上げあり) ・ソフトバンクでんき ※関西と九州エリアの自然でんきは独自調整単価 ・ドコモでんき ・北海道ガス |
燃料費調整額とは
燃料費調整額とは、燃料費調整制度によって決められる発電の燃料費のことです。
財務省の貿易統計のデータより、LNG・石炭・石油の輸入価格と平均為替レートをもとに計算されます。
※卸電力取引所の電力取引価格を電気料金に反映する料金プランとは参照するデータが異なる場合があり
新電力各社の燃料費調整額は各地域の大手電力と同じ計算方法で計算しており、大手電力と新電力で差が無いことが多いです。
この計算から導き出された燃料費調整額は
毎月の電気料金の電力量料金(従量料金)に適用されます。
燃料費調整額は電気料金が高くなるときもあれば、逆に電気料金が安くなることもあります。
燃料の価格変動が電気料金に反映されるのは3~5カ月後。
2022年1~3月の平均燃料価格は6~8月の燃料費調整単価に影響します。
2021年から2022年は、ロシアのウクライナ侵攻で燃料費の高騰しています。
その他にも
・円安
・原発の停止
・老朽化した火力発電所
などの問題があり、電気代の問題はしばらく続きそうです。
燃料費調整額の上限とは
燃料費調整制度では、基準燃料価格の1.5倍が平均燃料価格の上限とされています。
ただし2022年3月25日の第46回 電力・ガス基本政策小委員会(以下、小委員会)では、この上限撤廃について議論が交わされました。
原因としては、世界的な燃料価格の高騰を受け、北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力の5社は、燃料費調整額がすでに上限を超えており、超過した燃料調達コストを自己負担している状態。
つまり赤字ってことですね。
現在の状態では持続的な継続が難しいのでは?
という議論になり上限価格の撤廃について検討を始める可能性が出てきました。
新電力プランでも、Looopでんき・楽天でんきをはじめ多くの新電力会社が上限撤廃になっています。
新電力会社のなかには、上限撤廃をせずにそのまま事業の撤退・倒産してしまうところもあります。
2021年度には31件が小売電気事業から撤退し、14件が倒産したと報じられています。
2022年には新電力会社としては全国で貢献していたエルピオでんきが、2022年4月30日に電力供給を停止するとしています。